新丸子の家に引っ越してきて1年3ヶ月が経った

 

去年の8月、内見に行き、その場でこの部屋に決めた

 

築2年

駅から徒歩3分

走れば2分後の電車にも乗れた

バストイレ別

1Kのマンションで一階にはヘアサロンが入ってる

キッチンはとても狭い

 

駅前の商店街はとても活気があり、

行事があるたびに色んな飾り付けがされた

(‘びっくり市’の正体は分からないままだ)

 

 パン屋さんが3件、ケーキ屋さんや焼鳥屋さんがある

いつもいい匂いがした

どこも美味しくてかなり お気に入りだ

特に焼鳥屋さんは常に人が並んでいるので

待っている間に焼き鳥の匂いが衣服に染み付く

 

 

引っ越したのはちょうどオリンピックの時期だった

テレビだけ別で買ったのでなかなか届かず、

内村選手の演技を見損ねたことを覚えてる

 

 

新丸子の家に帰るのは、今夜が最後だ

 

 

以前は実家に住んでいたから

賃貸の部屋を出るのは今回が初めてになる

 

なんだかとても不思議な気持ちだ

なんとも言えない、

寂しさ、なのか

 

これからはあの部屋で他の誰かが生活をしていく

毎日の生活をあの部屋で過ごす

 

 最近、愛着がわいてきたところだったのに

さみしいな、切ない  やるせない

 

この部屋の窓から見える景色がほんとうに好きだった

武蔵小杉のタワーマンション

東横線目黒線の電車たち

ほどよい距離感にあるマンションやアパート

 

休みの日には洗濯物越しにぼぉっと

ただ外を眺めているのが好きだった

 

電車の走る音が聞こえる

最近、どこかの家では赤ちゃんが生まれたらしい

向かいのアパートにはゲーム好きが住んでる

 

この部屋から見る 空は広い

 

 

 

いままで美容院へ行くことは

生きるうえで仕方ないこと

耐える時間として捉えていた

 

お洒落になりたいなら

お洒落な街にあるサロンに行こう

 

ある日そう思って とても安易な考えで選んだ

地元ではなく、とびきりお洒落な街へ

 

そして去年の6月に出会ったのが

今も通っている代官山のヘアサロンだった

 

緑がいっぱい置いてあるお花屋さんのような入り口

天井も高くて窓からは光が差し込んでいる

コンクリートの壁には本棚が取り付けられている

ちょうどその下には机と椅子が並んでいて

小さなカフェのようなスペースになっている

 

 

店内に足を踏み入れたとき

「ああ、心地いい」と瞬間で感じ取った

 

初めて出会ったときの第一印象はね、

あるお笑い芸人さんそっくりだということ!

 

「初めまして」

 

挨拶を交わして鏡越しに映る姿を見た

髭は長くて丸メガネをしていてニット帽を被っている

やっぱり、お笑い芸人に似ている。

 

わたしの視線には気づかず、

わたしの髪を隅々まで触って見ていた

 

一緒になって自分の髪を見てみる

ブリーチして散々遊んで痛めた髪

なんだか申し訳ない気持ちになる

 

「全部 お任せでお願いします」

 初めての注文だった

こんなこと言われたら困るかな

少し勇気を出して言ってみた

 

「任せてください」

少しはにかんで

力強くうなずいてくれた

 

施術中の細やかな気配り

繊細だけどスピード感のあるカット

計算されたハイライト

眠ってしまいそうなシャンプーの時間

カラーリング中に出してくれる紅茶

マリアージュフレールというセンスの良さ)

 

不器用なわたしでもできるよう

簡単なヘアセットの方法まで教えてくれた

 

そしてなにより最後のお見送りが嬉しくて

最初から最後まで感動の連続だった

生まれて初めて

美容院の時間を幸せだと感じた

 

それから一〜二ヶ月ペースで通っている

もちろん、指名をして。

 

さて本題はここからだ

 

本題はここからなんだけど

きょうは 眠いから また こんど zzz

 

 

 

 

わたしの夢は叶った

 

都内で働くこと

誰かを支える仕事をすること

少し華やかな業界であること

 

勤務時間も長すぎず、朝もゆっくりできる

小さな会社だから貢献度がすぐに分かる

みんなに頼られ責任のある仕事も増えた

月給も、同級生の手取りよりずっと多い

何より職場の人たちが本当にみんなが良い人で

こんなにも人に恵まれていいのかといつも思う

女しか居ない職場だけど人間関係で悩んだことはない

 

なにも不満はないのに

毎日頑張って働いているのに

どうして こんなに 満たされないんだろう

ぬるま湯に浸かっているような気持ちになるんだろう

 

その思いが日に日に増していく

 

 

本当の夢は、企業で働く臨床心理士だった

 

昔から“人間”にイチバン興味があった

いつもいつも人間のことばかり考えてた

人間に関することなら何でも考えてた

 

哲学や心理学の本もたくさん読んだ

わたしは考えることを突き詰める人でありたいと

人間は考えることを辞めてはいけない

考え続けるべきだと常に思っていた

 

人間の人生におこること全て、

考え方次第で 考え方を変えるだけで

素晴らしいものにもなるんだ

 

不幸な出来事と捉えるか

幸せな出来事と捉えるかは

その人の努力次第だと思う

 

わたしはもうじぶんひとりで真理を見い出したんだと

幼いながらに本気でそう思っていた

 

それなのに目の前の友達が苦しんでいる姿を見て

なにも言えない なにもできない自分が心底嫌だった

いつかきちんとした技術を学んだ人に

そうだ 臨床心理士になりたいと思った

わたしが生まれて初めてなりたいものを見つけた瞬間だった

  

そうして長年培ってきた集中力は

わたしの中の暗いところへ向いてしまった

 

鬱病だと認めるのが怖かった

高校3年の頃だった

進学校特有のあの大学受験の雰囲気に乗り切れなかった

 

必死にしがみついて合格した大学で

臨床心理士を目指している最中も

わたしがわたしの邪魔をした

 

結局わたしは大学を中退した

臨床心理士に向いていなかったんだ

 

人のことより自分のことを心配しなければいけなくなった

凄まじい集中力を外へ向ける必要があった

そうして人間のことを考えないようにしてきた

なるべく なるべく考えないように

考えないように 空気を吸って 景色に見惚れて

そうそう映画の世界に入り込んだり

美しいものを 視覚的刺激を求めるようにした

 

臨床心理士にもう未練は無い

わたしが臨床心理士にならなくても

強いひとは強いから

 

周りの友達が悩んでいるときは

なにも言えなくいい

一緒にごはんを食べに行こう

一緒に綺麗な景色を観に行こう

わたしもそう思えるようになった

 

それに 今更、の話だから

 

そうして今の私が在る

 

新しい夢を見つけてそれを叶えた

それなのに満たされないのはやっぱり

 

わたしはやっぱり

もう一度考えることを始めたい

どうしても人間が気になる

人間の見えないところに興味を持ってしまう

 

好きなこと興味のあること

どうしても気になってしまうこと

それを突き詰めることが天職なんだと

 

なにも不満がないのなら

今の職場のままでいいじゃない

何度もそう思うようにしたでもだめだった

 

ぬるま湯から抜け出すためには

天職に転職すること他ならない

 

じゃあ私にとっての天職ってどれ?

 

また始めるよ

少しずつ

毎日新しい自分

毎日なにものでもない自分

 

何者かになりたくて また新しい夢を探しにいく

 

 

 

 

本を読むのも映画を観るのも好きだった

知らないひとのブログを読むのも好きだった

男も女もアイドルが好きだ

文化祭で皆の前で踊っている同級生が羨ましかった

 

自分の考えを具現化して文章にしたり映像にする

自分の体を駆使して踊る歌う

とにかく自分を表現している人が好きだった

 

わたしもずっと何かになりたかった

わたしも